潜在意識の書き換え

潜在意識の書き換え方として、多く紹介されているのは アファメーション・質問ワーク・イメージワーク です。

これらは、認知へのアプローチになりますので、記憶と大きく関係します。

もっとも簡単な方法は、唱えるだけのアファメーション。

だから、潜在意識を書き換える方法は、アファメーションが人気なのでしょうか。

逆に、多くの時間やエネルギーを必要とするのが、質問ワークです。

質問ワークは、潜在意識の深部に入り込む作業でもあります。

隠れていたり、気づかなかったりした感情や視点に気づける。

反面、見ないようにしていた自身の課題とも向き合うため、潜在意識の森をかき分ける段階で、苦しくなることが多々あります。

今回は、潜在意識の書き換えに関係する「記憶の種類」を説明します。

また、潜在意識を書き換えるため、どの方法を選択すれば高い効果が期待できるのか、そのコツもお届けします。

Point

◆ 記憶の種類とその特徴

◆ 記憶の再生と感情との関係

◆ 効果的な書き換え方法の選び方

 ※この記事は4分で読み終えられます

記憶の種類について

記憶は主に「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」に大別できます。

その中で、潜在意識の書き換え対象となるのが、長期記憶です。

長期記憶とは、理論上永久保存が可能な記憶貯蔵庫のこと。

そのうち、言語化できる記憶は「宣言記憶」、言語化できない記憶は「手続き記憶」とよばれています。

宣言記憶はさらに「意味記憶」「エピソード記憶」に分かれます。

意味記憶とは「AとはBである」という解釈の記憶であり、エピソード記憶とは「いつ、どこで、何を」など、出来事がストーリーとして保存された記憶のことです。

言語化できるとは、そこに何かしら「意味を与えられる」ということ。

意味を与えられるということは、同時に感情を生んでいるということです。

そのため、宣言記憶に属する、これら2つの記憶が、書き換えの中心となるのです。

心の情報処理

一般に、心のはたらきは、次のように説かれることが多いように思います。

五感(情報)→ 記憶→ 認知(思考)→ 感情 → 行動 → 結果

五感で外界の情報を取り入れ、過去の記憶(イメージ)と照合して、認知(思考=言語化)する。

すると、認知につながる感情が自動的にわき、行動を促して結果を決める・・・というわけです。

ここで一つ注意があります。

この流れだと、認知(思考)が感情を生むことになりますが、それは記憶の種類によって異なります。

意味記憶であれば解釈(定義)の記憶ですから、意味づけによって感情を生む。

この理屈は適用できます。

たとえば、テストの点数が50点だった場合。

本人に「テストで80点以上とれることが優秀」という意味記憶がある。

その場合は、50点はそれに満たないため「自分は優秀でない」という認知になります。

すると、「悔しい」という感情がわき、猛勉強という行動を駆り立て、次のテストでは80点という結果になるかもしれません。

しかし、エピソード記憶は、出来事の中に感情が内包 されています。

よって、思考以前、つまり 記憶と照合の時点で、そのときの感情が自動的に再生 されると考えられます。

先と同じ例で考えてみます。

過去にテストで50点をとったとき、親からひどく叱られたエピソード記憶がある場合。

当時の記憶が無意識下で再現され、そのときと同じ「恐怖」の感情が瞬時に湧きます。

このケースでは、認知(思考)の前に、感情が再生されています。

ものごとを解釈するのが難しい、幼少期の記憶は、ほぼエピソード記憶です。

だから、インナーチャイルドケアは言語より、イメージからのアプローチが有効なのでしょう。

以上から、記憶に応じて、適切な潜在意識の書き換え方法を選択できるよう、アファメーション・質問ワーク・イメージワークの順に、得意分野をご紹介します。

アファメーションの得意分野

アファメーションの効果が出やすいのは、「定義」や「因果の縛り」における書き換えです。

定義とは、言語のもつ意味のこと。

因果の縛りとは、「こうあるべき」 「これが正しい」 「普通はこうだ」 という、成長過程ですり込まれた価値観(信念=思い込み)のことです。

たとえば、「努力しなければ成功できない」の場合。

努力する(因)
 ↓
成功できる(果) 

「お金持ちは汚い」の場合は、2つの捉え方があります。

お金を持つ(因)
 ↓
心が汚くなる(果)

心が汚い(因)
 ↓
お金を持ちたがる(果)

これらはいずれも、後天的に刻んだ信念(思い込み)です。

よって、アファメーションを繰り返すことで、溶かすことができます。

ただし、因果を裏付けてしまう 「体験」 をしていると、エピソード記憶 になります。

その場合は、アファメーションのみでの書き換えは困難 です。

質問のワークやイメージワークを併用して、体験そのものの意味づけも変える必要があるでしょう。

なお、現実から大きく離れた理想を唱えても、潜在意識の抵抗に遭いやすもの。

抵抗に合わないアファメーションの作り方は、以下をご参考ください。

これは、私に限ってうまくいった方法であり、再現性の保証はありません。

質問ワークの得意分野

質問のワークは、ものごとを 別の角度から見る「視点の拡大」が目的 です。

こちらは、意味記憶と連動したエピソード記憶の解釈まで変えられるため、どちらにも効果があると感じます。

母との関係を修復するために、私が使用したのも質問ワークでした。

  1. 「母とは子どもを無条件に愛するもの」という信念(意味記憶) がある
  2. そこに「中学以降、私に対する母の態度が変わった」という経験(エピソード記憶) が追加される
  3. よって「私は愛されていない」という悲しみと「母を信じられない」という怒りを記憶に刻む
  4. 記憶による思い込みが、母との関係をこじらせる要因となる
  5. そこで「母は、私の母という以前に、個人としての存在ではないのか」 と自身に問う
  6. 「母にも個人として自由な人生がある」という新しい視点 が生まれる
  7. 「母は子を無条件に愛するべき」という信念が溶ける
  8. 中学に入って以降、母の態度に変化はあったが、母には母の事情があったと理解する
  9. 母への赦しが生まれる

このように、エピソード記憶の意味づけまでが変わったのです。

イメージワークの得意分野

潜在意識は、イメージ(感覚)の世界です。

言語によるアプローチは、顕在意識から徐々に潜在意識へ浸透させます。

一方、イメージによるアプローチは、潜在意識に直接働きかける方法です。

そのため、記憶そのものを変えたい場合は、イメージワークの方が効果的であると思います。

「何も浮かばない」

「上手くできているのかわからない」

イメージングが苦手な方には、かえってストレスになることも考えられます。

そのときは、質問のワークに切り替える方がよいかもしれません。

最後に・・・

潜在意識の書き換えと、記憶の再生との関係。

ここに考えが及んだのは、アファメーションの効果をなかなか実感できなかったからでした。

記憶の種類に照らし合わせた結果、体験済みの記憶(エピソード記憶)の書き換えに、言語を使った ことが原因だとわかりました。

おそらく潜在意識は「そんなこと言っても無理」と反発したのでしょう。

アファメーション(言語)は理屈です。

けれども、強い感情を含むエピソード記憶に、理屈など通用しないのでしょう。

なぜなら、人間は「理性」より「感情」優位だからです。

感情を和らげるには、イメージワークを活用するのが最も効果がある と思います。

質問ワークも「見方」を変える方法ですので、イメージへのアプローチと重なる点が見られます。

理屈はアファメーション、体験は質問ワークやイメージワーク

記憶の内容に応じて、潜在意識の書き換え方法を使い分けてみて下さい。

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