思い込みが激しい

「思い込む」とは、「そうだと信じること」であり、それ自体は自然な思考活動です。

その程度が激しくなると、いつまでもその思考に留まるようになります。

思い込みが激しい自分に対して、何とかしたいと望まれる方は多いでしょう。

できればすぐに、改善・対処したいと思われるかもしれません。

その前に、思い込みが激しくなる仕組みを、まずは客観的に理解してみませんか。

(思い込みから解放される方法は、別の記事で詳しくご紹介していますので、本文内にリンクを掲載しておきます。)

思い込みは「信念」と深く関係しますが、信念にはどのような種類があるのか、またなぜ思い込みが激しくなるのか。

今回は、その2点を説明します。

Point

◆ 思い込みを作る信念の種類

◆ 確証バイアスとは

◆ 信念を確証する理由

 ※この記事は3分で読み終えられます

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信念の種類

思い込みの信念には、「無知」からくる信念 と、「経験」からくる信念 があります。

たとえば、「大手企業に就職しないと安定した人生を送れない」という思い込みがあるとしましょう。

メディアや周囲の意見から、「大手企業に就職=人生の安定」という公式を作ってしまったのであれば、無知からくる信念 です。

この場合は、他にも安定した人生を送る道があると知れば、自ずと信念を溶かすことができるため、比較的容易に解放することができます。

ところが、そこに「親の期待」が絡んでいると、話は別です。

つまり、それまでの親子間で得た経験がベースにあるため、 経験からくる信念 である可能性が高くなります。

「大手企業=人生の安定」は親の価値観であり、その価値観に子どもが沿ってくれることを、親が期待している。

この場合の信念は、「大手企業に就職=人生の安定」ではなく、「大手企業に就職=親に認めてもらえる」なのです。

そのため、他に安定した人生を送る方法を知ったとしても、思い込みから解放されることはありません。

また、思い込みを生んでいる真の信念に、本人自身が気づいていないことも多いのです。

発達課題の未達成

激しい思い込みを分析すると、最終的には自分を信頼できないという、「自己不信」に行き着きます。

心理的、社会的に適応しながら生きられるよう、人間には発達の各段階において、必要な課題が与えられています。

発達心理学者である、エリクソンの「心理社会的発達理論」で表すと、最初の課題は「基本的信頼の獲得」

これは、幼少期の親子関係によって形成されるものです。

獲得できなければ、この世界に存在する自分の価値に「不信」を抱いたまま、次の段階へ進むことになります。

○○ができなければ、自分には価値がない
○○でなければ、愛されない

条件が満たされたときに、自分の価値が生まれるという「条件つきの自己信頼」を抱き、その信念に基づいて、世界を見るようになります。

それによって「他人から好かれない」、「何をしてもうまくいかない」など、極端な思考へ傾倒する。

または、他人や社会の評価へ過度に依存する、人に好かれるために偽りの自己を演じるなど、自分らしさ(アイデンティティ)を喪失する。

このような、不適応を招きやすくなるのです。

参考:潜在意識に残るインナーチャイルドと愛着障害との関係について

なお、中には、成長過程で大きな心理的ショック(いじめなど)を経験した場合もありますので、必ずしもすべてが幼少期の経験とは言えません。

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信念の裏付け

人は、外界から得る膨大な情報から、見たい情報のみを選択をし、さらに自分の都合に合わせて解釈しています。

そのとき、人は自分の信念を正当化しようと、ある心理的な働きが生まれます。

心理学で「確証バイアス(偏り)」と呼ばれるものです。

つまり、信念に合う情報を選び、信念に合う解釈をしているのです。

それによって、「ほら、やっぱりそうだ」という確証を重ねます。

信念 → 確証バイアス → 強化

これがループされることで、信念はますます意識に固定されていきます。

結果、拘りが強くなり、思考全体のなかを、思い込みが占領するようになるのです。

思考は目に見えませんが、エネルギーとして存在します。

考えれば考えるほど、エネルギーを注ぐ(思考を肥大化させる)ことになることも、参考までに補足しておきます。

確証する理由

自分の考えが正しいと証明するために生まれる、心理的歪みのことを確証バイアスと言いました。

なぜ、私たちはそのような偏りを生んでまで、信念の正しさを証明したいのでしょうか。

  • 自己を正当化
  • 反証に対する認知処理の省略

人にとって、最も大切な存在は自分です。

そのため、自分が間違っていると思いたくない防衛が働き、正当化する方向へ向かう。

信念が誤っていることが発覚すると、正しい情報を探す必要性が生まれるため、その認知処理を省く。

このように、諸説ありますが、共通していることは、自分に「不快」を与えないため という点です。

信念を持ち続けていることは、あなたを苦しめないようにという、潜在意識の意図(愛)だとわかりますね。

(皮肉にも、意識の上では苦しめられていますが・・・)

たとえそれが、非合理的な内容でも、潜在意識は理解できません。

潜在意識の目的は、ただ一つ。

あなたを護ることだけです。

まとめ

思い込みを作っているのは信念。

信念は「無知」からくるもの、「経験」からくるものに分けられます。

後者は、幼少期の発達課題である「基本的信頼」の未獲得、または獲得不足によって、情報の選択や解釈に望ましくない影響を与えていると考えられます。

さらに、信念を確証しようとするバイアスにより、思い込みの激しさを強化していました。

激しい思い込みという結果には、原因となる過程があります。

そのため、そこに至ったプロセスを辿り、アプローチしていくことが解決への道です。

信念(原因1) → 確証バイアスによる強化(原因2) → 思い込みの激しさ(結果)

原因1か原因2、あるいは両方へのアプローチが必要になるでしょう。

原因1なら信念を緩める、原因2なら確証バイアスに至らないよう、視点を変える・・・など。

信念を緩めるには、インナーチャイルドケアや、記憶の書き換えが必要になることもあります。

上述した、いじめなどの辛い経験が、自己不信を招いているケースでは、記憶の衝撃を和らげるほうが先かもしれません。

記憶の書き換えは、3回シリーズでお届けしていますので、よろしければ【1】からご覧ください。

参考:辛い記憶は消える?思い出すのも嫌な過去を忘れる方法【1】

なお、信念を自身に問い直すことで、思い込みを緩和する方法もあります。

こちらは、信念の形成に至った過去の経験に対する心理的防衛が、さほど強くない場合に効果が出やすいと考えられます。

参考:思い込みをなくす方法【1】信念(決めつけ)の勘違いに気づく

参考:思い込みをなくす方法【2】思考のバランスをとり投影に気づく

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