怒りのメカニズム

子どもの頃は、だれもが今より喜怒哀楽を自由に表現できました。

言語が未発達の段階であれば、自分の気持ちを周囲に示す大切なコミュニケーション手段の一つでしたね。

ところが、大人になるにつれて、次第に豊かな感情を表すことにためらいが生じてきます。

特に「怒り」に対する否定的な見方は根強いものです。

  • 怒りを鎮める方法
  • 怒りを抑える方法
  • 怒りのコントロール

こちらに辿り着かれた中には、上記の情報を求める方がいらっしゃるかもしれません。

結論を言うと、段階を踏めば、少しずつ怒りをコントロールできるようになります。

そのスタートとなるのが「怒りの理解」です。

怒りをコントロールできない悩みをお持ちの方は、怒りの意味を誤解されている様子がしばしば身受けられます。

そこで、怒りのコントロールを身につけるために必要なステップを、3回にわたりお届けします。

初回は「怒りとは何か」をテーマに、怒りが生まれるメカニズムと、怒りが意味すること(役割)について触れています。

Point

◆ 怒りを否定的にとらえる理由

◆ 怒りが生まれるメカニズム

◆ 怒りが意味すること

 ※この記事は約3分で読み終えられます

怒りを否定したくなる心理

まず、なぜ怒りを否定的に見てしまうのか、その心理について説明します。

一般に、喜怒哀楽の中で「喜」と「楽」は歓迎される感情です。

反対に「怒」と「哀」は、できるだけ味わいたくない、回避したい感情とされています。

ただし、涙を流すことは心の浄化にもなるように、哀しみは怒りほど敬遠されていません。

私たちが怒りを否定したくなる心理には、次の3つが考えられます。

  1. 大人らしくない
  2. 怒りのエネルギーに対する不快さ
  3. 対人関係への影響

1.大人「らしく」ない

怒りの感情を露わにすることは「子どもっぽくて恥ずかしいこと」と考える心理です。

それは、大人の定義として「感情より理性優位」「合理的な思考」「精神の成熟による自律」というイメージを抱いていることが関係します。

これらは成長過程において、周囲を含む社会から受けた期待や要請であり、自分が大人になれているか否かを測るひとつの目安になるのです。

2.怒りのエネルギーに対する不快さ

これは、大人に限らず子どもにも該当します。

「炎」にたとえられるように、怒りには強く激しいエネルギーが含まれています。

そのため、それを 味わうこと自体大きな苦痛をともないます。

人間には快を求め、不快を避ける本能が働くため、怒りを「不快にさせるもの」と捉え、拒絶反応を起こすのです。

3.対人関係への影響

怒りを示したことで、対人関係が悪くなった過去がある方ほど強く抱く心理です。

怒りの感情を相手に伝えるとき、伝え方あるいは受け止める側の器のサイズによって、関係がこじれてしまうことがあります。

そのような、自分自身が「失敗した」と感じる経験によって、怒りは人間関係に悪影響をもたらすものとして見る傾向が強まるのでしょう。

怒りが生まれるメカニズム

次に、怒りの感情がどのようにして生まれるのか、そのメカニズムをみていきます。

過去、怒りを覚えたときの場面を一つ思い出してみて下さい。

何に対して怒っていますか?

「粗末な扱いを受けた」「期待を裏切られた」など、直接自分が関係した場面。

「戦争」「いじめ」のように、自分の中にある正義や善に反する行為を、第三者として認知した場面。

いずれにも共通するのは、「自分の価値基準にそぐわない」という点です。

ただし、そぐわない点を 自分でコントロール(修正)できると感じた場合は怒りに発展しません 。

なお、この判定は瞬時にされるため、(顕在)意識の上で確認することは不可能です。

潜在意識にある、過去の記憶によって評価された自己効力感(自分には能力があるという感情)と、目の前の出来事を照合し、「これは自分でコントロール出来るか否か」を、意識にのぼる前に自動処理しています。

以上から、怒りのメカニズムは以下であるとまとめられます。

自分の価値観に反し、かつ自身でコントロール不可能と判断したときに湧くストレス反応

怒りの役割

「自分の価値観に反する」

「自分ではコントロールできない」

二重の不快によるストレスとして、怒りは生まれます。

それでは、何のために怒りという感情が湧くのでしょう?

今度は、怒りが意味することについて「怒りの役割」という点から説明します。

ポイントは「価値観」。

価値観とは個人の考えや思想を表しています。

これは人生の選択における基準にもなり、個人にとって重要なものです。

つまり、価値観は個人そのものと言えるのです。

自覚の有無に関係なく、すべての人は 自分自身を「尊重されるに値する」「承認されるに値する」存在と信じて います。

よって、不快にさせる人・物・出来事は、自分の価値観(=自分自身)に不利益な刺激。

結果、自分を護るために怒りが湧く。

このように、怒りには自分を護る役割 があるのです。

最後に・・・

怒りのコントロールを身につけるためには、怒りを正しく理解することが必要です。

それまでは、怒りを厄介な感情だと思われていたかもしれません。

けれども、怒りのメカニズムや、怒りの役割を知ると、「怒りに対する見方」が少し変わりませんか。

もしかしたら、長い間怒りの感情に苦しめられてきた方には、すんなりと受け入れられなかったかもしれません。

怒りとはそれほど理解しがたいものですから。

「知る」から「理解する」までにかかる時間は、人それぞれです。

ただ、知らなければ永遠に理解することはできません。

知ったということは、潜在意識に知識の種が植えられたということです。

怒りとの向き合い方については、以下の記事に説明しました。

怒りが「味方」であったことに、少しずつ気づいて頂けるかもしれません。

自分らしく生きるため、時に前進を勧め、時に方向転換を促す

怒りに限らず、すべての感情は、深層から届く「愛のメッセージ」です。

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