怒りのコントロール

最近、「怒りは二次感情」という表現を、いたるところで目にします。

怒りが生まれる前には、一次感情なるものが存在し、怒りはそのあとに続いて生まれる二次的な感情という意味です(A)

わかりやすいですね。

ところが、この一次感情と二次感情。

ある分野では、まったく違う意味で使われています。

そこでは、怒りを一次感情とし、怒りのあとに続く感情を、二次感情としているのです(B)

混同しないために、このブログでは、怒りを「二次感情」ではなく、本来の感情から目を背けるために生まれる「代替感情」と表しています。

使い方としては、(A)とほぼ同じです。

怒りは、何の代わりとなって表れているのでしょうか。

それを明らかにするステップとして、今回は怒りと冷静に向き合う方法について述べています。

Point

◆ 怒りは防衛反応

◆ 怒りとの向き合い方

◆ 怒りが「愛」である理由

 ※この記事は3分で読み終えられます

怒りは防衛反応

こちらで触れましたように、怒りには自分を護るという役割があります。

それを原始的に見るならば、動物の防衛反応です。

「闘争か逃走反応(fight-or-flight response)」という言葉を聞かれたことがあるかもしれません。

恐怖を目前にしたとき、動物は対象と闘う、対象から逃げる、いずれかの防衛反応を示すという理論です。

(正確には、何もできず停止する(freeze)という反応もあり)

怒りは、この生得的な防衛反応によって生まれるものです。

ここからわかるように、怒りを辿っていくと、行き着く先にあるのは「恐怖」です。

認知機能が発達している人の場合は、生命の危機に対する恐怖だけでなく、自尊心への脅威に対する恐怖も含まれます。

たとえば、恥を感じる恐怖、哀しみ(自分の弱さ)を感じる恐怖 など。

このように、恥や哀しみは、怒りと関連が深いものです。

また、自分とは異なる価値観を受けいれるときにも、それを「自己否定」だと捉えてしまう人にとっては、恐怖になることもあるでしょう。

要は、それらを味わうことによる「傷つき」への恐れ です。

そのために、盾として怒りを湧かせ、恐怖から自身を護っている、というわけなのですね。

怒りの真実

「護られているどころか、不快なんだけど・・・」

怒りをコントロールしたいとお考えの方にとって、怒りは「否定」や「拒絶」の対象になっているかもしれません。

ところが、怒りをコントロールするには、まず 怒りに「感謝」しなければならないのです。

なぜなら、怒りによって、確実に恩恵を受けているからです。

私たちは、「好きなところ」「嫌いなところ」というように、自分の性質を分類しますね。

長所・短所とよばれるものです。

おそらく大多数の方は、怒りを表現する自分の姿を、短所の中に入れられるのではないでしょうか。

だから、この記事に目を通されているのだと思います。

しかし、私たちが 短所だと考えている性質は、すべて私たちに「快」を与えるために表れて います。

それは、なかなか理解できないかもしれません。

ですが、そこに気づくことが、怒りと上手に付き合っていく第一歩なのです。

怒りと冷静に向き合う

どうすれば、怒りがもたらしてくれたメリットに気づけるでしょうか。

そこに至るまでには、怒りと冷静に向き合い、怒りのスイッチに気づく必要があります。

過去、怒りが湧いた場面を振り返り、以下の項目にそって、怒りを分析してみましょう。

  1. 怒りが湧いた状況
  2. 怒りの強度
  3. 怒りの持続期間
  4. 怒り以外の感情

1.怒りが湧いた状況

怒りが湧く状況に、他人の在・不在は関係しません。

一人でいても、イライラする時はありますよね。

どのような状況でも、「怒りのスイッチが押される理由」があります。

過去は膨大な記憶ですから、すべてを分析するのは不可能。

たいていは、強く残っている記憶が優先的に思い出されるでしょうが、それで構いません。

無理することなく、浮かんだ記憶を、そのまますくうように拾い上げて下さいね。

2.怒りの強度

カチンときたレベルから、腸が煮えくり返るレベルまで、怒りの強度はさまざまです。

疲弊してしまうほどのエネルギーだったのか、冷静さを失わない程度の怒りだったのか。

怒りの強度にも目を向けてみます。

強度は、数値化するとわかりやすいですよ。

怒りがまったく湧かない状態を0、我を見失うほど「怒り狂うレベル」を10として、怒りを数値で表しましょう。

3.怒りの持続期間

強度に続いて、怒りの種類を見るためには持続期間にも注目します。

どれだけの間、怒りが消えなかったのか。

強度はそれほど高くなかった。

けれど、何日も静かな怒りが続いているという場合があります。

許せない過去に苦しまれている方がいらっしゃいますが、それは、怒りが継続していると言えます。

それだけ、大切な何かを傷つけられたと感じているのです。

怒りの強度が「質」なら、怒りの持続期間は「量」。

いずれも、怒りのスイッチを押す原因に対する、重要度(こだわりの強さ)が見えてきます。

4.怒り以外の感情

冒頭で、怒りは代替感情であるとお伝えしました。

本来の感情を味わう苦痛から自身を護るため、盾のように表れるのが怒りです。

けれども、その背後にある感情が、そのまま大人しく隠れているとは限りません。

怒りとともに表出することが多いのです。

それを分析する方法は、2つあります。

怒りは、(A)では二次感情ですが、(B)では一次感情です。

この(B)でいうところの二次感情、つまり、怒りのあとに表れる感情に注目するのが一つ目。

もちろん、怒りとともに表れてくるときもあります。

「泣きながら怒る」などは、まさにそうですね。

哀しみと怒りが同時に表れています。

こちらが二つ目。

この観点で振り返ってみて下さい。

最後に・・・

怒りは、「さぁ、今から怒りましょうか」と準備して湧かせるものではなく、自動的に生まれるものです。

それを発動させるスイッチは、必ずあります。

何に恐れてきたのか、また、怒りによってどのような恩恵に浴してきたのか。

それらを客観的に知ることが、怒りをコントロールする道につながります。

大切なのは、怒りを毛嫌いしないこと。

怒りをコントロールするとは、怒りを抑えつけることではありません。

怒りと仲良くなる のです。

問題なのは、怒りのエネルギーを借りなくてもいい場面で、怒りを使ってしまうことですよね。

他にまかなえる方法が見つかれば、怒りは次第に弱まり、いずれは鎮まってくれます。

なぜなら、自分が登場しなくてもあなたが「快」でいられると、怒りが納得した から。

反応はすべて、その人に快をもたらすために表れた「愛」です。

それに気づくため、怒りと冷静に向き合い、感謝する必要があるのです。

次回は、これらの分析をふまえ、怒りを味方にする方法についてお伝えします。

こちらに参加しています。
お役にたてましたら応援いただけると嬉しいです。

Share the message please.
Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on Facebook
Facebook
Share on Google+
Google+