一人で悩んでいても、堂々巡りで出口が見つからない。

「カウンセリングを受けてみようか」と考えるのは、そのような時ではないでしょうか。

以前は、カウンセラーというと、高い専門性をもち医療機関や行政機関にいるイメージでしたので、門をくぐるのに少し抵抗があったかもしれません。

しかし現代では、ご自身の苦しい経験をきっかけに「心理カウンセラー」として開業された方が増えたため、比較的相談しやすい環境であると思います。

ところが、カウンセリングを受けてみたところ「説教されて不快だった」「気持ちをわかってもらえなかった」「特に変化がない」など、カウンセラーに不満を抱いたり、カウンセリングの効果を疑問視する声を、しばしば耳にします。

そこで、今回はカウンセリングの意味と、効果的な受け方についてお伝えします。また「カウンセラー依存」の問題にも触れました。

私自身、カウンセラーを務めている立場ですので、自戒の念を込めて書いています。

Point

◆ カウンセリングとは何か

◆ カウンセリングの効果的な受け方

◆ カウンセラー依存の問題

 ※この記事は4分で読み終えられます

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カウンセリングとは

カウンセリングとは、来談者(以下クライエント)が自分自身の内面を見つめ、探索する営みに「同伴」する ことです。

マラソンにたとえるなら、あなたがランナーであり、カウンセラーは伴走者です。

中には、カウンセラーが「答え」や「ヒント」を与えてくれると期待する方もいらっしゃいますが、あなた以上にあなたを知る人物はいません。

答えはすべてあなたの中 にあります。

けれど、私たちは普段、自分の深層を掘り下げることをあまりしませんので、本当の感情に気づいていないことが多いです。

そのため、カウンセラーはクライエントの 話を聴き、本人が経験している「心的事実」をありのまま認め、味わっている 感情に共感 しながら、「伝え返し」や「質問」などの言語的関わりを通じて、クライエントが自分の内面にフォーカスするお手伝いをします。

そこから得た「気づき」が、変容のきっかけ となるのです。

なお、臨床現場では、心理療法というアプローチがあります。

「療法」という言葉が「治療」をイメージさせるからなのか、外側から解決の糸口を与えているように思われるかもしれません。

心理療法は、クライエントの 内面に変容をもたらす、科学的見地に基づいた「いち方法」です。

現在の状態に適すると考えられる方法を選択しても、問題解決に至るか否かは クライエントに内在する力 に左右されます。

効果的な受け方とは

カウンセリングの効果を上げるための受け方として、現場を経験している私からお伝えしたいのは以下の2点です。

  1. カウンセラーが問題解決をしてくれるという期待を手放す
  2. 自分なりの「客観性」をもつ

1.カウンセラーが問題解決をしてくれるという期待を手放す

先述した内容に関係しますが、カウンセラーが何とかしてくれるという期待は、往々にして裏切られます。

むしろ、何とかしようとあれこれ助言するカウンセラーは、コントロール性が高く、あなたの自立を妨げる可能性があると感じます。

ただし「自分を大切にしてくれる人がいる」という喜びを感じることで、あなたの孤独感が癒され、生きるエネルギーが湧くのであれば、その限りではありません(そこに依存するのは危険ですが・・・)。

2.自分なりの客観性をもつ

答えは自分の中にあるとわかっていても、時にはカウンセラーに意見を求めてしまうことがあるかもしれません。カウンセラー側から「一般論」として意見がでることもあるでしょう。

「一般論」とは客観性を帯びた情報のことですが、カウンセラーの主観が含まれていることは多々みられますし、その情報が本当に一般なのか疑わしいこともあります。

そのようなときに、自分なりの客観性(冷静な目)をもっていれば、情報に巻き込まれずに済みます。

これは、後に触れるカウンセラー依存の回避にもつながります。


いずれにも共通しているのは「常に自分が主体である」という自覚です。

カウンセラーは、カウンセリング理論や、実践トレーニングなど、所定する内容の履修を経て資格を取得しますので、カウンセリングに必要な基礎スキルは「一応」保有していることになっています。

しかし、私も含め、カウンセラーも人間であり、独自の「色」をもっています。

色とは、「思い込み」「価値観」「見方」などの偏りで、「我」と言い換えてもよいものです。

できる限り「無色(中立)」な状態でカウンセリングできるよう、資格取得後も研鑽し続けてはいるものの、このように、カウンセラー自身にも歪みがみられるため、来談される方に主体性がないと、歪みを直に受けやすくなります。

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カウンセリング継続のポイント

カウンセリングは、一度で終了することもあれば、継続することもあります。

カウンセリングの効果には、カウンセラーとクライエントの相性、カウンセラーの技量が影響(能力より感性が大きく関係)しますが、特にお互いの相性は重要な要素です。

カウンセリングを受けた際に、次の点を確認なさってみて下さい。そこから継続の有無を決められてはいかがでしょうか。

  • 相手に心を開いてもいいと思えたか
  • 相手の応答に違和感を覚えなかったか
  • あなたのことをわかろうとしてくれたか

最後は「わかってくれたか」ではなく「わかろうとしてくれたか」です。

どれだけわかりたいと願っても、他人があなたを100%理解することは、残念ながらできません。

けれど、あなたをわかろうとする態度を示すということは、そのままのあなたを受け止める心の準備ができている証です。カウンセリング用語では「受容」と言われるものですね。

相談する時点で、クライエントは「苦しみ」を抱えています。カウンセリングに来られる方のほとんどが、それをまるごと包んでもらうことを望んでいると言っても過言ではありません。

肯定的な態度で受容するカウンセラーは、「癒し」のエネルギーを与えることができます。

それによってクライエントが落ち着き、内面の探索に向かうため、癒しはカウンセリングにおける大切なプロセスだと言えます。

カウンセラー依存の問題

カウンセリングでは「癒し」が大切だと述べましたが、それが「カウンセラー依存」へと発展するケースがみられます。

アルコール依存、ギャンブル依存、買い物依存、これら「依存」とつくものはすべて、その行為によって快楽をもたらす(不快を緩和できる)ために繰り返されるものですが、カウンセラー依存も同じです。

カウンセラー依存に多いのは、孤独感を抱えていたり、愛されたい・大切にされたいという欲求が強い方です。

苦しい人を助けたくてカウンセラーになったという動機にも表れているように、優しくて面倒見のよい方がカウンセラーには多いです。

そのため、カウンセリングで「包まれる安心感」を得られたことが、来談の目的を「自己の内面への探索」から「癒しの獲得」へと変えやすくするのです。

依存がクライエントに与える損失を理解し、中立性をもったカウンセラーであれば、このような状況でも適切に対応できるでしょうが、カウンセラー側にも依存性があると「共依存」を生みます。

よく見られるのは、援助によって心理的な欠乏を埋めているケース(劣等感の補償など)です。判断の目安はいろいろありますが、これが一番わかりやすいかもしれません。

  • 過度に喜ぶ(テンションが高くなる)
  • それまでの様子と違う(よそよそしくなる)

あなたが元気を取り戻してイキイキし始めたとき、カウンセラーにこのような態度がみられる場合、中立性が低い(自律性が低い)と考えられます。つまり、あなたの変化に、カウンセラーの内面が影響を受けているということです。

落ち着いて微笑んでくれたならば安心して下さい。冷静さと温かさをバランスよく備えていると思います。

最後に・・・

カウンセリングは、カウンセラーとクライエント双方の関わりによって展開されるため、「こうすればこうなる」といったハウツーのように、先を読むのは難しいものです。

互いのエネルギーが調和しているときには、思いもよらない効果が生まれるため、カウンセリングには、計り知れない可能性が秘められていると、常々感じます。

カウンセリング効果は、互いの相性、カウンセリングスキル、カウンセラーの中立性、クライエントの自立など、さまざまな要因が掛け合わさった結果なのでしょう。

それらを支えているのは、クライエントの潜在力をどこまでも信頼し続け、尊重し続けるカウンセラーの姿勢 だと思います。

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