心が平安でいられるか、ものごとに前向きになれるか、それには人間関係が大きく関係します。

「人間関係が辛い」
「人間関係がうまくいかない」

こちらをご覧の方は、現在、このような言葉が、内に湧いているかもしれません。

外側の関係に悩まれているなら、職場や学校へ行くのが苦痛でしょう。

内側の関係であれば、家庭の中がぎくしゃくして、安らぎの場所を失ったような心境だと思います。

ここで、ひとつお訊ねしたいことがあります。

「相手がこうしてくれれば(しなければ)、悩まないのに・・・」

現在、このような思いが少しでもありますか?

これは「被害者意識」と言って、関係をうまく築けない原因を、他者や環境など「外側」に見出す考えです。

被害者意識が強いと、良好な人間関係を築くことや、自分らしく人生を紡ぐことが難しくなります。

今回は、被害者意識の克服を目的に、被害者意識に陥る心理と、抜け出すための姿勢に触れました。

被害者意識をちらりとでも感じる方は、ご自身を見つめる機会になさってください。

なお、被害者意識は、事象に対して抱くこともありますが、本記事は「人間関係における被害者意識」に絞っています。

Point

◆ 被害者になりたい心理

◆ 2つのコントロールパターン

◆ 被害者意識から抜け出すには

 ※この記事は5分で読み終えられます

被害者意識とは

「被害者」という言葉は、事件をイメージさせるため、重々しく感じられるかもしれません。

柔らかい表現に換えるなら、被害者意識とは「他者に苦しめられている意識」のことです。

得たい結果がある。

ところが、他者によって実現を妨げられるため、苦しんでいる(と 思い込んでいる)。

この方がわかりやすいでしょうか。

被害者意識と呼ばれる理由は、他者に悩まされている姿と、害を被っている状態を重ねているためでしょう。

自分が被害者になることで、相対的に 相手を「加害者」にする 

エネルギーのタイプでいうなら、これは「攻撃」の一種です。

相手に放ったエネルギーはそのまま自分に返る

これが自分にとって、いかに不利益であるか。

因果の法則を理解すれば、納得いただけるかもしれません。

さらに、「悩まされている」という思いは、波動の法則によって、そのとおりの現実を引き寄せ続けることになります。

被害者意識に陥る理由

人間関係は、コミュニケーションによる相互作用の結果として作られます。

したがって、本来、加害者も被害者も存在しません。

なぜ、あえて作り上げるのでしょうか。

そこには、被害者でいたい「ある心理」が隠れています。

それは、「自分の力で、望む結果を得る自信がない」というものです。

うまくいかない原因は相手にある。

そう考えることで、「受け容れ難い自身の問題から逃避している」と言えます。

相互作用である以上、自分も結果に関与しています。

しかし、自分の問題として向き合うと、これまで目を背けてきた、あるいは無意識に抑えていた部分に触れなければなりません。

心の深い部分が、それを「拒否」しているのです。

結果、自分は「受身」のまま、相手が自分の望むとおり動くことを期待する、相手を恨む という「依存」へと至ります。

冒頭で、被害者意識が強いと、相手と良好な関係を築くことが難しくなると述べました。

それは次のような場合です。

コントロールのパターン

被害者意識は、相手をコントロールして、関係修復を図りたいという思考へと発展しやすいです。

イソップ寓話「北風と太陽」を例に、具体的なパターンを示します。

  1. 北風
    要求する・責めるなど、威圧的なコミュニケーションによって、相手の行動変容を強制する
  2. 太陽
    直接的な要望は示さず、「傷ついた自分」を見せることで相手に罪悪感を与え、相手の自発的な行動変容を期待する

北風に比べると、太陽の方は一見わかりづらいですが、「相手が変わるべき」という、依存の姿勢は同じです。

なぜ、相手の変容を期待した行動が、関係を悪化させるのでしょうか。

それは、立場が「対等」ではなく、「主従」になるからです。

期待する自分(主)
  vs
期待に応える相手(従)

人間関係に限らず、すべては自分が「主」となって創り上げるもの。

相手が、自分の思いどおり動くことを望むのは、相手を従わせる(自由を奪う) のと同じです。

仮に、これらのアクションで、相手が望むようになったとしても、それは「不快を回避したい」という動機でしょう。

北風なら「ガミガミと言われたくない」。

太陽なら「自分が悪者になりたくない」。

よって、表面上の関係は整っても、相手の心はますます自分から遠ざかる ことになります。

友人、恋人、夫婦、親子

関係が親密になるほど、相手へのコントロール欲求が高まるため、注意が必要です。

愛着と被害者意識

これまでお伝えしてきたのは、相手と自分という二者間の中でうまくいかない原因を、相手に見出す被害者意識の話でした。

もう一つ、根深い被害者意識の話をします。

それは、「母親に対する被害者意識」です。

母親との間で形成される愛着スタイルは、その後の人間関係に大きく影響します。

生きづらさを感じてこられた方は、不適応のルーツが母親にあったと知り、どこか安堵されたかもしれません。

自分が生きづらいのは、母親に原因がある

この主張は半分正しく、半分誤りです。

確かに、愛着は自尊心をはじめとする、さまざまな信念の形成に強く関係します。

ただしそれは、自分一人の力でこの世界を生き抜くのが難しい「幼少期」だったからです。

今は、成人(もしくは自分でものの分別がつけられる年齢)ですので、信念を修正する選択はできるはず。

それでも、被害者でい続けることを、望んで選択している のです。

母親を加害者にし続けることで、現実を変えることから逃げている

母親のせいだと思われている方は、この状態です。

辛い経験をされた方が、母親を恨みたくなる気持ちはわかります。

私もそうでした。

けれど、その状態でい続けても、人間関係の問題は何も解決しませんでした。

被害者でい続けることが、ご本人に安らぎを与え、幸せをもたらしているなら、そのままでよいと思います。

けれども、目を通されている中に、少なからずそうとは言えない方もいらっしゃるでしょう。

立ち上がるチャンスは、「今」ではないでしょうか。

被害者意識から抜け出す

これまでは、被害者意識でいる時の心理や、人間関係に与える負の影響についてお届けしてきました。

以降は、被害者意識を克服する方法に触れていきます。

克服する方法は、たった一つ。

受け身でいたい心理を手放す ことです。

つまり、自分の人生は自分で創るという、「主体的な姿勢」になることです。

手放すには、逃げたくなった気持ちを認める ことから始めます。

逃げ続けたのは、弱い自分を「護りたかった」から です。

「怖かった」「辛かった」という感情を癒して下さい。

感情を癒すとは、感情をしっかりと味わう(感じる)こと。

問題に向き合うのはその後です。

反応パターンを知る

人間関係における、反応のパターンは繰り返されます。

そのため、過去の人間関係を振り返りながら、整理されることをおすすめします。

  • どのような相手・言動・状況に悩むのか
  • どのような相手・言動・状況に安心するのか
  • それぞれの相手に、自分はどのようなコミュニケーション(言語・非言語)をしてきたのか

このように、人に対する自分の関わり方(発信)と、相手の言動の受け止め方(受信)の傾向を、客観的に理解します。 

安心する条件は、反転すると「安心しない条件」になります。

おそらく、悩んだ条件と同じか、似た性質を帯びていないでしょうか。

そこから、自分の問題 が少しずつ浮かび上がってくると思います。

・・・お気づきでしょうか。

ここで、ひとつの真実をお伝えします。

悩まされていた相手は、このように、今の自分に 必要な気づきを与えてくれる存在 なのです。

人は、心の痛みを味わうことで、「変わろう」「変わりたい」と思います。

すべての縁は、自分に必要な学びの機会を与えてくれている

そう考えられると、何があっても被害者意識に陥ることなく、自分に意識を向けられるようになります。

最後に・・・

被害者意識をなくしたいとお悩みの方へ。

相手をコントロールして、整えられたように「見えるだけ」の、いびつな関係。

互いを尊重し、関係性から得る愛や学びによって、共に成長・発展できる関係。

味わいたいのは、どちらでしょうか。

どれだけ不条理であっても、すべて自分が放ったものが返った結果です。

また、どのような相手であっても、縁のある人はすべて、必要な気づきを与えてくれる存在です。

「受け身」からの卒業

あなたの人生は、あなたが自由に創造できます。

誰かや何かのせいでうまくいかないと思うままでは、そのとおりの現実が続くだけです。

望む現実を、自ら創り上げる一歩を踏み出して下さい。